2007年04月02日
PGM精製設備増強に関するお知らせ
当社は、平成19年1月26日付「第二工場建設に伴う固定資産の取得に関するお知らせ」にてお知らせいたしました第二工場建設用用地(茨城県土浦市)について、平成19年2月22日(木曜日)に、その売買契約を締結いたしました。
第二工場においては、PGM(プラチナグループメタル)全般の精製能力を増強する予定でありますが、今般、ハードディスクドライブに使用されるルテニウムターゲットの需要拡大を受け、第一期工事として、ルテニウム地金の精製能力の増強を最優先とする予定であります。これは、顧客が所有している使用済ルテニウムターゲットを精製して、再度、ターゲット製品を製造するための重要なリサイクル設備の増強が目的であります。
当社は、既存工場であるつくば工場(茨城県筑西市)において、月産最大600~800キログラムのルテニウム精製設備を保有しております。
第二工場(茨城県土浦市)の増強計画では、お客様のご要望によりそれを更に倍増し、月産最大1,200~1,500キログラムに増強する予定であり、最終的には年間最大精製量15~20トンを目指して参ります。年間最大15~20トンの精製能力を得ることにより、ハードディスク用途の使用済ルテニウムターゲットについて、年間発生量の全量の精製が可能となる予定であります。
この背景としては、ルテニウムは年間産出量が約25トンと極めて限られた資源であり、ハードディスク向け需要の急拡大により、ルテニウムターゲットのリサイクル供給の拡大が必要不可欠となっていることに対応するものであります。当社は、精製により高純度化したルテニウム原料からのスパッタリングターゲットのリサイクルにつき、既に量産技術を確立しており、順次、リサイクル製品の出荷を開始いたしております。
また、当社は、使用済スパッタリングターゲット等、PGM含有量の高い素材(高品位素材)からのリサイクルだけでなく、使用済触媒、使用済燃料電池、使用済ハードディスク等、PGM含有量の低い素材(低品位素材)からのリサイクル技術を確立するため、3月8日、三菱マテリアル株式会社、三菱商事株式会社との三社共同で白金族金属リサイクル技術の開発を行う旨を発表いたしました。
本件開発により、①南アフリカ・ロンミンプラチナム社からの安定的なPGM調達/②スパッタリングターゲットの製造/③使用済ターゲットからのリサイクル/④使用済最終製品からのリサイクル、という全てのループを完成させることができ、貴重な資源を有効活用しながら、更なるPGM用途の拡大を模索して参る所存であります。