2023年10月05日
イリジウム金属の安定供給網構築に向けた事業提携検討を開始 ~グリーン水素社会の実現に向けたイリジウムの安定したサプライチェーン構築に向けて~
株式会社フルヤ金属(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:古屋 堯民、以下「フルヤ」)と東芝エネルギーシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:四柳 端、以下「東芝ESS」)は、グリーン水素の製造において注目を集めるPEM*¹水電解装置の中核部材に使用されるイリジウムの安定供給網構築に向けた事業提携を検討することについて覚書を締結しました。フルヤは東芝ESSが技術開発したスパッタリング*²方式を用いて省イリジウム化を実現した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly(以下「MEA」)の普及を支えることにより、グリーン社会の実現に貢献していきます。

PEM水電解は、再生可能エネルギーの電力の変動に対してその他の水電解に比べてより良好な適応性と優れた耐久性を持つことから、グリーン水素を生産する方式として期待されています。そしてMEAはPEM型水電解装置に使用されるもので、耐久性や性能を左右する重要な部材として注目を集めています。PEM型水電解装置の中核部材であるイリジウムは、産出量が少なく急増する需要を賄うためには使用量を削減することが求められています。
フルヤは、イリジウムの高純度化・加工・合金化の技術に強みがあり、イリジウムの取扱量は世界屈指を誇ります。また、製造工程や最終製品から短期間で高効率にリサイクルすることができる技術により循環型のビジネスモデルを持っています。
また、東芝 ESS は、水素を「つくる」技術において、高性能・大容量の水素製造に向けた水電解装置向けの MEA の開発を進めており、MEAに必要な高価で希少貴金属であるイリジウム使用量を 10 分の1に減らし、且つ高い水電解性能と耐久性を実現した省イリジウム技術の強みをもっています。
今回の提携検討を機に、フルヤと東芝 ESS は両社の強みである技術を活かし、グリーン水素市場の持続的な発展とカーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していきます。
*¹ PEM(プロトン交換膜:Proton Exchange Membrane)
*² 一般的に半導体や電子デバイスを製造する中で極薄膜を形成する技術
本件に関するお問い合わせ先
株式会社フルヤ金属 総務・CSR部
TEL. 03-5977-3377
E-mail. ir@furuyametals.co.jp