薄膜製品 HDD用スパッタリングターゲット
HDD(Hard Disk Drive)の磁気記録媒体や磁気ヘッドには、Pt系合金やRuなど、様々な貴金属薄膜が使われています。昨今、生成AI、クラウドサービス、動画配信、IoTの急拡大により、データセンター向けストレージ需要は継続的に増加しています。特に、ハイパースケールデータセンターでは、TCO(Total Cost of Ownership)の観点から大容量Nearline HDDの需要が高まっており、記録容量は30TB超の世代へと進化しつつあります。従来の垂直磁気記録方式(PMR:Perpendicular Magnetic Recording)は面記録密度の物理的限界に近づいており、次世代技術としてHAMR(Heat-Assisted Magnetic Recording)、MAMR(Microwave-Assisted Magnetic Recording)の実用化が進んでいます。その実現には、貴金属を含む高機能薄膜材料が不可欠であり、スパッタリングターゲットの純度、組成精度、結晶粒制御が記録密度および長期信頼性を左右します。
当社では、ルテニウムを中心に単金属、合金のスパッタリングターゲットを製造・開発しています。
特長
当社の貴金属ターゲットは、原料精製工程からターゲット製品加工まで長年培った技術を駆使して製造されます。これにより、HDD品質に大きく影響を及ぼす不純物を極限まで抑え、均一した薄膜を得ることができます。また、独自の焼結方法を採用することで、お客様の要望に合わせた品質のターゲットをご提供します。
用途別使用材質
| HDD | Ru、Ru-alloy、Pt-alloy |
|---|---|
| HDDヘッド | Ru、Ru-alloy、Ir、Ir-alloy、Pt-alloy |
垂直磁気記録媒体 構造
垂直磁気記録は、HDDにおける記録密度の向上を実現した技術です。磁化方向をディスク面に対して垂直に配置することで、より微細な記録ビットの形成が可能となり、記憶容量の増大に寄与します。
ルテニウムは、六方最密充填(hcp)構造を有し、Co-Cr-Pt系などの磁性層と結晶学的な親和性が高い材料です。ルテニウムを下地層として用いることで、磁性層の結晶粒の垂直配向が促進され、垂直磁気異方性の向上に寄与します。これにより、ルテニウムはHDDの高記録密度化および高信頼性化を支える重要な材料となっています。
